マルチタスクが苦手?マルチタスクについてちょっと哲学してみた

多くの情報が短時間で飛び交うようになった現代社会においては、仕事でも私生活でもより複雑で高度なことが求められるようになり、脳が一度に処理する情報の数が計り知れないほどになっています。
特に仕事においてはマルチタスクが求められるシーンが多く、どうにか効率良くこなすコツを探求しているのではないでしょうか。
今回はそんなマルチタスクのコツを紹介するのではなく、一般人の日常に起こるマルチタスクについて整理することで、マルチタスクの必要性を考えていきましょう。
早速結論としては、
身近なマルチタスクを減らしてシングルタスクに没頭せよ
なぜこの結論に至るのか、これが意味することは何なのかを解説していこうと思います。
この記事を読むことで、
- マルチタスクの必要性を理解できます。
- 脳を効率良く使うことができるようになります。
脳の余計なストレスを軽減して『寝る』『食う』『動く』などの日常生活を効果的にし、より人間らしく健康的に生活できるようにしましょう!
目次
マルチタスクとは

そもそも『マルチタスク』とはどういうことなのか。
ここでは一般的なイメージとより具体的なミクロなマルチタスクを整理していきます。
一般的なイメージ
もともとの『マルチタスク』とは、コンピューターのシステムを指す言葉で、複数のタスクを切り替えて同時に情報処理をするシステムのことでした。
それがビジネスの現場でも簡単なところだと『話を聞きながら目を取る』少し高度になると『資料を作りながらメールチェックもして受け答えもする』など複数の作業を短時間で切り替えながら、ほとんど同時にこなしていくことを指すようになり、それがマルチタスクのイメージとして定着しているのです。
印象としては複雑で難易度が高く、仕事がデキる人のイメージで、憧れるスキルとなっているでしょう。
日常的なマルチタスク
本来人間として健康に生きていく上で重要なのがこちらであり、より日常的で身近なものです。具体的にはインターネットが原因であり、その最たる例がスマホです。
インターネットのおかげで多くのことが同時多発的に行なわれており、その分多くの情報が一度に行き来することになっているのですが、この現象を誰でも彼でも受け取ることが出来るツールであるスマホがあるおかげで、なんの変哲もない一般人の日常にもマルチタスクが異常に紛れ込んでしまっているのです。
一般的なイメージのマルチタスクを使いこなせるのはほんの一握りの人の話で、スポーツで言うところのアスリートです。一般人が同じようにやろうにも脳のキャパが足りず、一度に処理できる情報の多さが違うのでそもそも無理難題なのです。
ここでよく考えるべきなのは普段何気なくやってしまっている『Youtubeを観ながらごはんを食べる』『歩きスマホ』『湯船に浸かりながらNetflix視聴』のことです。
マルチタスクがもたらすこと

アスリート的なマルチタスクはひとまず置いておいて、今回は一般人にも馴染みのある日常にあるマルチタスクのメリット・デメリットについて整理していきます。
メリット
全体を把握出来る
マルチタスクを行なう上では、まずは今どんなタスクがどれだけあるのか把握していないとできません。その現状を把握して、それぞれのタスクに優先順位を付けながらほぼ同時進行的に行なうので全体が把握出来ている状態であるということです。
料理で例えると、『冷蔵庫にどんな具材があるか』『栄養のバランスはどうか』『今は何を食べたい気分なのか』を見極めて取り掛かることでしょうか。
効率が良いケースもある
全体を把握し、同時進行的に上手く進めることができれば結果的には効率が良くなります。
『食材を茹でながら別のものをカットしておく』『何かを炒めながらレンチンでもう一品』のように見る見るうちに料理の品目が増えていくことになるでことでしょう。
デメリット
実は生産性が低い
本当に効率良くこなすことができれば生産性は高まるケースもあるのですが、見せかけだけマルチタスクにしても生産性はむしろ低下します。ほとんどのケースでは一つの作業に集中して取り組んだほうが高い生産性を得られるのです。
みなさんも経験があるのではないでしょうか。
スマホでメールのやり取りをしながらドラマを観ても、『メールのやり取りには時間がかかり要を得ず、ドラマの内容は記憶に残らない』
最たる例は歩きスマホです。スマホの画面に映る内容に気を使いながらも「前に人がいないかな」「段差はないかな」などの情報を常に処理しなくてはいけません。これを全てスムーズにこなしてそれぞれのタスクを高い生産性を保つことは不可能です。
人間は同時に二つ以上の事柄に集中できません。いかにして瞬時に切り替えて集中を行き来するかがマルチタスクの鍵になるので、にわか仕込みで真似ても一方に対する集中力はむしろ下がり、生産性が下がるのは明白でしょう。
脳へのストレス
単純な話、『キャパオーバー』
そもそも人間はマルチタスクをして生きていくような構造をしていないので、人間が人間である以上はどこかに無理を強いられる理屈になっています。それが現代社会においては脳です。
一見マルチタスクをこなしているように見える人も、本当の意味でいくつもの作業を同時進行しているわけではなく、脳内でさまざまなタスクを同時進行的に切り替えて処理しているだけであり、それを上手くこなすのはよほど特殊な脳の持ち主か、熟練した技術や、長年の生活の中で身につく習慣がなせる技によりサボるとこ所や要領が良くなっただけのことなのでしょう。
それを見様見真似で一生懸命やってみても、生産性は下がり、複数のタスクを行き来することで、記憶を呼び戻したり、整理して考察したりの繰り返しで脳への負荷が高まる一方です。
シングルタスクとは

マルチタスクのメリット・デメリットを理解したところで、『シングルタスク』とは何なのか。また、そのメリット・デメリットを確認していきましょう!
『シングルタスク』とは簡単に言えば、『集中』『没頭』することです。
メリット
生産性が上がる
マルチタスクの方でも書きましたが、そもそも人間の脳はマルチタスクをするようには出来ていません。シングルタスクを選択することにより生産性が上がります。一つのことに集中することにより脳のエネルギー他のことに使わることなく注げるので、特殊な能力を必要とするわけもなく生産性は必然と高まります。
タスク管理しやすい
特殊な能力を必要としないので、何がどこまで進んでいるのかを脳への負荷を高めることなく瞬時に確認し把握することができます。
デメリット
モチベーションの低下
シングルタスクのデメリットは一重にこれでしょう。
同じ作業を繰り返すことで飽きが来たり、やる気の低下が懸念されます。また、多くのことをこなしたいときは、一つ一つ前に進んでいくので、マルチタスクに比べて刺激は少なく、目的までは遠回りをしているような感覚になりかねないのです。
まとめ

マルチタスクは効率の良いことなのか、必要なスキルなのかが見えてきたのではないでしょうか。
歩きスマホは脳にも身体にも、周りにも良くないので非常に生産性の低い作業です。スマホを観ながらの食事も恐らく食事に集中していないことで栄養の吸収が下がっていることでしょう。近ごろは食事の進め方においても、昔からしつけられた、それぞれのお皿をつまみながら少しずつ完食するという『三角食べ』ではなく、一皿ずつ完食していく『だけ食い』の方が栄養の吸収が良いという話が出てきています。脳が一つのことに集中することで発揮できる力は多岐にわたり、大きな生産性を秘めているのです。
マルチタスクを苦手に感る必要はありません。むしろ見せかけだけマルチタスクを装っても生産性は低下し、脳へののダメージも高まります。
積極的にマルチタスクを減らし、『没頭』することを強くおすすめします。