足に良い靴とは?をちょっと哲学してみた

「足に良い靴!」「足が楽な靴!」
という謳い文句で売られている靴は老若男女問わず、どの年代のものでもよく目にするのではないでしょうか。
みなさんは普段どこで靴を買っていますか?よほどこだわっている人でもなければ、ほとんどの人が靴の量販店で靴を買っているでしょう。
「仕事用の靴だけど少しでも足に良い革靴を探そう!」「プライベート用だから楽なスニーカーがいいな♪」
量販店で試し履きをして、サイズが合わなければ店員さんが「一個上のサイズをお持ちしますね!」
といったやり取りで。
今回はそんなシーンで頻出する「楽な靴」という点に着目して、そもそも何が足に良いのか、何を持って楽というのかを哲学して整理していきましょう。
今回のキーワードは、
裸足が一番
この記事を読むことで、
- 靴の重要性が理解できる
- 上手く靴選びをし日常のパフォーマンスを向上させられる
普段あまり意識することのない部分にフォーカスし、より健康的な生活を送れるようにしましょう!
目次 [非表示]
”楽な靴”とはどんな靴?
「楽な靴」普段何気なく使っているフレーズですが、かなり感覚的なもので、なにがどう楽なのかなど考える機会はないことでしょう。ここからは「”楽な靴”とはいったいどんな靴なのだろう?」というところを具体的に深彫りしていきましょう。
世間的なイメージ

まずは一般的にどんな靴が”楽な靴”と認識されているのかを整理して確認していきましょう。
脱ぎ履きがしやすい
下記の条件を含め、”楽な靴”のイメージについては順不同だが、まず筆頭に上がってくるイメージはこの脱ぎ履きのしやすさではないでしょうか。
出かけるときに立ったままスムーズに履けて、帰ってきたときにも立ったまま以下に素早く脱げるか。多くの方が1日に脱ぎ履きする回数はどちらも1度づつにも関わらず、その一瞬のスムーズさを追求し、いちいち座っていそいそと脱ぎ履きする手間を避けることこそが悲しいかな日本人にとっての”楽さ”なのではないでしょうか。
それを象徴するかのように、靴選びの際には多くの人が実際の自分の足のサイズより一回り以上大きいものを選んでいるようで、特にスニーカー選びでは顕著にそれが現れ、スリッポンと呼ばれる紐やストラップのない靴を好んで選ぶ人が多いようです。
そんな中特に驚きなことは、2007年頃から日本でブームになり、今でも町中でも見かけることのある『クロックス』。当時は脱ぎ履きのしやすさや、穴の空いた独特なデザイン、『ジビッツ』と呼ばれるチャームを使ったカスタマイズ性が人気で多くの日本人が町中でクロックスを履いて生活していました。まさか夏以外にもああいった防水効果の高いアウトドア向けの”サンダル”がタウンユースされるとは未だに信じがたいことです。
クッション性が高い
続いて楽な靴のイメージと言えば、靴底のクッション性ではないでしょうか。
ただこの”クッション性”に関してはこちらの記事(https://marutetu.blog/post-61/)にもあるように、布団や椅子でも同じことが言え、決して靴だけで言えることではなく、安心感につながるなにか人間の本能的が求める感覚の一つなのではないかと思えます。
とはいったもののなぜこういったイメージが定着しているかを改めて考えてみましょう。
100円ショップに行けば何十種類ものクッション性の高さを謳ったインソールが存在し、靴の量販店に行けば、まるでガンダムの足のような形のハイテクスニーカーが陳列棚を埋めています。
ナイキが展開するスニーカーのなかで、独自のエアクッションが入ったソールを使い、デザインの良さとともに履き心地の快適さを謳ったエアマックスシリーズが、90年代に爆発的人気を博したことも要因の一つなのではないでしょうか。
またファッションシーンでは、2010年以降に若者を中心としてニューバランスのスニーカーが流行していました。もともと矯正靴のためのインソールを手掛けていたところから始まったブランドということも相まって、デザインや履き心地だけでなく、その歴史が日本人に受けていたようですが、こちらも今となっては外にせり出すほどの分厚いソールを搭載し、足を熱心に守ってくれるハイテクスニーカーとしての側面も人気なようです。
痛く”感じない”
これに関しては言葉の綾というかなんというか。文字通り「痛い」と”感じなければ”楽な靴という感覚のことです。
多くの方が革靴や制服など指定の靴を履いて、靴ずれのような症状を経験したことがあるのではないでしょうか。指が過度にぶつかれば本来の動きは阻害され、ぶつかることや痛みが気になることでパフォーマンスは低下するので、誰でも靴選びでは痛みが出ないようにすることは自然なことでしょう。
「普段スーツに革靴だからプライベートではスニーカーを履いている」というどこにでもありそうなセリフに関しても、こちらの記事(https://marutetu.blog/post-23/)に掲載したように、もちろん痛みが出ないことに越したことはないのですが、”痛い”と感じるということが何を表し、痛いと感じないことがどういう状態なのかを、今一度キチンを考えて靴選びをする必要があるのではないかと常々感じます。
いかにして表面的な痛みが出ないようにするかということを重要視している象徴が、まさに上記の二項目です。痛いと”感じない”ために少し緩く履いてみたり、クッションで過度に守ってみたりすることで、本来身体の持つバランスを保つ能力や、脳に程よく刺激を与えた事による反射的な身体の動きを遮ってしまい、そのことで余計な力みや能力の低下を招いてしまうことなど誰も感じないし、感じさせないようになってしまっているのでしょう。
なにをもって楽というのか

”楽な靴”のイメージについては確認できましたので、次は”楽な靴”の”楽”の部分に注目して、そもそも”楽”とは「なにが楽なのだろう」というところを深彫りしていきましょう。
一時的・表面的な感覚
世間的なイメージの部分で触れた項目の中で、まず、”脱ぎ履きがしやすい”靴を選ぶという感覚が何を指すのかを、もっと具体的に考えてみると、『靴という道具を使用する上で、使うまでの手間と片付ける手間がかからない』靴選びと言い換えることができます。
次に、”クッション性が高い”靴を選ぶという感覚が何を指すのかというと、『足への刺激をできる限り減らし、柔らかさからくる表面的な気持ちよさを重視した』靴選びと言えるでしょう。
最後に、”痛みを感じない”靴を選ぶという感覚が何を指すのかを考えてみると、『目に映るネガティブさえ排除できれば他は二の次』という靴選びではないでしょうか。
つまりこれらはどれも一時的であったり、短絡的で表面的な靴の選び方です。
本来の目的に沿った根本的な感覚
一般的な靴の持つ本来の目的とは何でしょうか。
履いたり脱いだりして遊ぶものではないですし、触れたときの気持ちよさを楽しむものでもありません。
裸足で現代の環境を歩いたときに想定できる怪我から足を守るために靴を履くのです。ただ、ここで言う「守る」という部分に注目して、車のエアバックのように交通事故から身を守るための道具ではありませんし、要塞のように敵の攻撃から身を守るものではありません。あくまで注目すべきなのは、「裸足で歩く」という点です。
考えうる身近な怪我から足を守りつつ、”歩く”ために靴があるのです。
当然というか案外というか、靴だけに限らず、身につけた方が根本的な身体能力が上がるというような代物は存在しないので、素のままの裸足が一番歩行能力が高いのです。
可能な限り裸足で歩くときと同じ感覚で、遮るものがなく、目的以外の余計なことを考えずにニュートラルに身体を動かせる状態が本来身体が感じる楽さなのです。
まとめ

普段何気なく口にする「楽な靴」を紐解いてみると、パッと思いつくものは大抵が世間的なイメージの影響に引っ張られたもので、理屈や本来自分自身が持っている感覚とは程遠いものと言うことが解ったと思います。
楽さは決して表面的なものや一時的なものではなく、身体がニュートラルで縛られていない状態。パフォーマンスが高く、エネルギー効率が高い状態かつ身体への負荷が少ない状態のことを指すのです。
靴に合わせるのではなく、足に靴を合わせるように選べるといいですね!
まずは自分の足の大きさや特徴を把握するために、足を測ることから始めてみましょう!