革靴は足に悪い?をちょっと哲学してみた

革靴を履いたことのある人なら一度は感じたことのあるこの疑問。
それどころかこの感覚が世の中の常識として、前提として話が進むことがほとんどではないでしょうか。
そんな常識とされている知識を、「なぜそう感じるのか」「本当にそうなのか」を考え、より健康的な生活を送るために整理してみました。
早速結論ですが、
「革靴」が悪いのではない。スニーカーも要注意!
足に良い悪いを考える上では、そもそも「足に良い靴とは?」という疑問を解消すべきではあるのですが、ひとまず今回は革靴とスニーカーそれぞれの特徴に注目して、なぜこの結論にたどり着くのかを哲学していきたいと思います。
この記事を読むことで、
- 革靴に対する偏見がなくなり、革靴でも足にあった靴が見つけられます。
- 足に優しいはずのスニーカーでも疲れる原因がわかります。
靴それぞれの特徴を把握し、自分にあった靴選びで健康に暮らしましょう。
目次
そもそもなぜ革靴は足に悪い?と思うのか

まずは、実際のところどうなのかを考える前に、なぜ多くの人が直感的に「革靴は足に悪い」と感じるのかを整理して考えてみましょう。
ポイントは二つあります。
革靴のデメリットはわかりやすい
これと同時に、スニーカーのデメリットがわかりにくいということです。
それぞれの具体的な特徴は後述しますが、革靴はデメリットが非常にわかりやすいということが要因です。
表面的でわかりやすいことほど、自分自身の脳へのストレスを最小限に抑えることで、印象に残ると思います。特にこの情報社会においては、脳に余計なことを考えさせずに楽をさせてあげる流れは自然ではあるのですが、パッと目につく情報だけを頼りに脳に楽をさせて判断するよりも、もう少し全体を見て判断してあげた方が長期的には身体のため楽になるのではないでしょうか。
「理屈じゃない」世間的に常識となっている
案外というかやはりというか実はこれが大きな要因なのではないでしょうか。
「スニーカーのような履き心地!」
このフレーズを見る度に感じるなんとも表現し難い「的を得ない感」。
「スニーカーこそが正義!」と言わんばかりのフレーズ。
スニーカーがどういうもので何がいいのかなどということは承知の上。前提条件。
「想像してよ。わかるでしょ?」というプレッシャーさえ感じるこのフレーズが全てを物語っているのではないでしょうか。
革靴とスニーカーの特徴

革靴のメリット・デメリット
革靴のメリット
最大のメリットは、堅牢性ではないでしょうか。
もちろん高級感なども大きなメリットではありますが、いわゆる忌み嫌われる革靴のイメージは、壊れても修理して長く使うことで愛着が持てる堅牢性が大きなメリットでしょう。
革馴染みするので自分の足にあった靴になる。育つとでも言いましょうか。
こういった点も革靴のメリットとして挙げられます。
革靴のデメリット
「最大のメリットにして、最大のデメリット」
メリットであったはずの堅牢性が、まさかのデメリットになってしまいます。
堅牢性とは言い換えると、丈夫で頑丈 であることですが、この丈夫さが履き心地としては得てして『硬さ』として人間の脳にはインプットされてしまいます。
『硬い』ことが人間の脳にもたらすこととはどういうことなのか。
簡単にいうと『わかりやすい』ということです。
例えば、目隠しをしている状態で物を触って形を当てるしたら、硬いものと柔らかいものでどちらがわかりやすいかは明白でしょう。硬さはよりはっきり分かるということです。
ということは、靴が硬いことで足が靴の形をはっきり感知できるので、
「あれ、足に合ってないぞ」
「ぶつかって痛いぞ」
と足が感じてくれるということになります。要は、
足に合っているかどうかがわかりやすい
ということです。
スニーカーのメリット・デメリット
スニーカーのメリット
まずはデザインの豊富さや手に取りやすい価格帯でしょう。
adidasの『スタンスミス』やVANSの『オーセンティック』のようなシンプルで人気のあるローテクスニーカーや、ナイキの『エアマックス』を始めとするハイテクスニーカーなど、革靴を遥かに上回るデザインの多さ。
ファッションや健康に興味のない人から、それらを生きがいとする人までを対象とした価格帯。子供の頃から触れてきている手軽さがメリットの一つでしょう。
また、本題の肝でもあるスニーカーが足に良いとされる所以。『柔らかさ、クッション性』によって足から脳に、
「この靴の感触気持ちいいよ」
「履き心地いい靴だよ」
と伝達されることでスニーカーとは足に良いものなんだと表面的には感じさせてくれるのです。
スニーカーのデメリット
「最大のメリットにして、最大のデメリット」
スニーカーにも全く同じことが言えます。
デザインの豊富さは置いておいて、スニーカーが持つその『柔らかさ、クッション性』。
メリットにも挙げたように、一見すると身体に良いことのように感じますが、この柔らかさが身体に与える影響は本当にメリットなのでしょうか。
靴は触って感触を楽しむものでなければ、脱ぎ履きをして遊ぶものでもありません。日常生活で生じる動きから足を守るために履くものですので、『動き』が生じます。
柔らかいものというのは実態を掴みにくいので、身体が動いて足から靴に体重がかかったときに
「これはどんな形をしているのだろう」
「今はどんなところを歩いているのだろうか」
と足から脳に正確な情報が伝わらず、不安から余計なストレスを与えてしまいます。余計なストレスがかかることで、余計な緊張が生まれ、予期せぬ疲労を生み出します。
硬さがあれば、その硬さから得た情報をもとに適切な対応ができるのですが、柔らかいが故に、地面からの情報が正確に足に伝わらず、実態が掴みにくいので緊張を生み、足に身体に必要以上のストレスを与えてしまっているのです。また、良くも悪くも柔らかさが足を包み込んでくれているので、靴の形や状態は足を通して脳には伝わりにくいです。要は、
足に合っているかどうかがわかりにくい
ということです。
まとめ(結論)

結論ありきで革靴、スニーカーの特徴をそれぞれまとめてしまったので、かなり大雑把なものになってしまいましたが、概ね前述した通りです。
革靴は、
足に合っているかどうかがわかりやすい
スニーカーは、
足に合っているかどうかがわかりにくい
ので、表面的にどちらが良い悪いではないというのが結論です。
なんともはっきりせず、狐につままれたような感覚の結論を出してしまいましたが、これが現実です。
表面的で端的に結論を得ようとしていてはなかなかこの結論にはたどり着けないことだと思いますので、そういった点を考慮すれば少しは有意義な考察になったのではないでしょうか。
思い通りだった方も望んだ結果が得られなかった方も、ぜひとももっともっと足や靴に対する時間を増やしてあげてください。今よりもきっと有意義な生活が待っていると思います。